ちょっとそこに座れ。お前に言いたいことがある。
イラストを公開するたびに「下手ですみません」だとか「へぼいイラスト」だとか、いちいち言い訳をするんじゃあない!
本当に下手なイラストならば、お前にいちいち説明されなくても、見れば下手だということぐらいすぐ分かる。それとも、「あなたの絵は本当に下手糞です
ね!!デッサンが狂いまくってて、5分で目が腐りそうですね!!」とでも言って同意してほしいのか?お望みとあらばいくらでも言ってやるが。
(まあ、実際には絵がけっこう上手なところも多いんだが。それは謙遜のふりした嫌味ですか?)
なぜ、このような言い訳をする人間がいるんだろう?
描いた本人にとっての、言い訳をする利点その1。下手に出ることで、他人の批判を封じることができる。
どうせ、「あらかじめ下手に出ておけば、叩かれることもないだろう。あわよくば、『そんなことないですよ〜お上手ですぅ〜』なんて言ってもらえるんじゃないかなあ」なんていう、反吐が出そうなほど甘い考えをしているんじゃないのか。
犬どうしのけんかで、片方があおむけになって腹を見せたら、相手はこれ以上攻撃しないというのを連想してしまう。それと同じように、自分から弱みをさらけ出すことで、相手からの攻撃を防ぐ予防線を張っているわけだ。
「自分が下手なのは認めるから、批判はしないでくれよ」と見る人にお願いしている、その嫌らしさが気に食わない。
利点その2。現状に悩むほうが、上達しようと努力するより楽である。
こういう言い訳がましい人間に限って、本気で絵を上達させようという努力が感じられない、ような気がする。昔から絵柄がまるで変わらないし、その画力の欠陥も修正されずにそのまま保存されているように思える。
本気で自分の画力を上達させようとする気があるならば、それなりの労力が要る。たくさん絵を描いて練習をしないといけないだろうし、他人の容赦ない批判を浴びて欠点を客観的に見る必要もある。自尊心をずたずたにされることもあるだろう。
しかし、下手だ下手だと言い訳して自己嫌悪に走って逃げていれば、そのようなつらい目に遭わなくても済む。自分を卑下して悩み続けるほうが、上達しようと努力するよりも、努力が要らない分だけ楽なわけで。
しかも、他人から批判されても「自分だって悩んでいるんだ!」と言って胸を張って反論することもできるおまけつき。
下手だ下手だと言い続ける人間は悩むふりをして、いちばん安易な道に逃げているのだ。そこが気に入らない。
自分が絵が下手なことを自覚していても、その範囲内で絵を描くのを楽しんでそれを公開するだけなら、別にかまわないと思う。自分自身も、偉そうに言える腕
前でもないし。べつにすべての人間に絵の素質があるわけでもなし、絵を描くすべての人間が上手に絵を描く能力を持つなんてことは要求が高すぎる。(かと
いって、あまりにも下手すぎるのを見せられるのは勘弁願いたいが)
許せないのは、そこで「下手ですみません」と言い訳をすることだ。
言い訳するぐらいなら、チラシの裏にでも描いて他人に見せるな。言い訳する時間があれば、その時間を使って練習して腕を上げろ。
そして絵を見せたいなら、下手でもいいから言い訳なんかするな。黙ってやれ。
2006年2月25日
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